大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

  • 西村眞悟 Facebook
  • 西村眞悟 twitter
  • 西村眞悟 RSS

月曜評論 眞悟の憂国

平成15年8月号

わが国家の歴史的段階を大観すれば、国家体制の再編期にあると言える。それは、「戦後」という五十七年間続いている特異な惰性からの脱却である。それは即ち、「日本という国家」の回復でなければならない。

国家を生成展開する生命体に譬えれば、「日本という国家」の回復は、国家の生存と存続の為に不可欠な運動である。従って、この運動の達成は、今日本国民として生まれ合わせている我々の責務である。

さて、現在はデフレ不況といわれている。しかし、経済学にいうデフレだから、経済学者によって片が付く、と単純に考えられるのか。実はこれは、日本が国家としての体をなしていないことからくる惨状ではないか、と多くはうすうす察知している。即ち、国家運営の戦略を回復しなければ、この不況から脱却できないのだと。

そこで、二十世紀後半のバブルとバブル崩壊、そして、現在のデフレと続く一連の転落現象を振り返って何がわかるか。それは、この転落劇の背景に「アメリカの戦略」が見えることである。中西輝政京大教授の書かれるところによれば(「日本の敵」所収)、氏がアメリカの大学に赴任していた一九八六年から八七年には、アメリカは全米の英知を結集して、ソビエト崩壊後におけるアメリカの経済による世界制覇の戦略を練りはじめていたという。その議論の中に、「BIS規制」という耳慣れない言葉があった。つまり、「BIS規制」とは、グローバルスタンダードというご神託ではなく、アメリカが冷戦終結後の世界経済支配の為に考案した戦略道具であったのだ。あくまでアメリカの道具であり、それがグローバルスタンダードであると日本人が思い込んでいるだけである。

では、「BIS規制」とは何か。銀行の自己資本比率を律する基準である。そして、この基準によれば、銀行が企業に貸し出し融資をすれば、銀行保有財産は、貸し出しリスクを勘案して一定比率で減額することになっている。従って、銀行が企業に貸し出しを増やせば増やすほど、銀行の自己資本比率は低下する。しかし、考えてみれば、日本の銀行の本来の業務は、貸し出しではないか。ところが「BIS規制」では、銀行が本来の貸し出し業務に励めば励むほど、銀行の自己資本は低下するのである。これでは、日本の銀行は、本来の業務はできない。

日本資本主義は、銀行による融資(間接金融)によりカネが動いていた。アメリカ資本主義は、株式市場による資金調達(直接金融)により金が動く。アメリカの銀行は、金持ちから金を預かって、金持ちを設けさせることを業務としている。日本の銀行は、大中小の企業を融資で育てるとこを業務としている。そして、二十世紀後半にジャパンマネーは、世界最強となりニューヨークの一等地までも買収することが出来た。これに対する、アメリカの世界経済支配の戦略は何か。いうまでも無く、アメリカ以外の最強の資本主義システムを潰すことである。即ち、日本資本主義の中枢である銀行を潰すこと、その道具が「BIS規制」だったのだ。

このように、わが国は、「日本という国家」を回復しなければ、自国の経済も動かすことが出来ない状況に追い込まれているのだ。国家を回復しなければ、国民の自殺を止めることも出来ないのだ。では、国家は如何にすれば「戦略」がもてるのか。国家防衛の決意と体制の無い国家に、戦略は生まれない。つまり、国防体制が、戦略が生まれる前提である。

戦後日本は、アメリカに頼って思考停止し、国防の決意も体制も整備されていない。従って、政治能力が枯渇し、戦略が生まれず、現在の惨状に陥っている。