大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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月曜評論 眞悟の憂国

平成15年7月号

イラクに自衛隊を派遣するための法律は、天下の欺瞞である。この法律は、日本の法文化の恥を後世に残すものである。国民の恥辱であり、国民の軍隊を汚すものである。

そもそも、「戦闘が行われれないから」軍隊を出すことができると考える馬鹿は世界中で日本政府だけだ。日本以外の国の政府は、「戦闘が行われるから」軍隊を出すのだ。戦闘が行われなければ、軍隊を出さない。これが、軍を動かす政治の節度だ。よって、この法律は、日本政府は馬鹿であることを自ら公言している。

イラクでは、今も戦闘がある。だからフル装備の米英軍が駐屯し徐々に戦死者が出ている。「戦闘が行われておらず、また、将来も行われない地域」など、イラクに存在しない。仮に存在するとすれば、フル装備の米英軍に完全に守られている地域だけだ。ということは、この他国の軍隊に守られて安全な地域でしか日本の軍隊は行動しないというのがこの法律である。よって、この法律は、日本人は卑怯者であり臆病者であることを自ら公言している。

この法律でイラクに派遣される自衛隊は、実は戦闘を覚悟しなければならない。しかし、日本国政府は、「戦闘が行われておらず、また、将来も行われない地域」に自衛隊を出すと国会と国民に説明して自衛隊を出している。よって、この法律は、日本国政府は、国民に嘘をついて軍隊を動かす政府であり、日本人は嘘つきであることを自ら公言している。これでは、近隣諸国の不当な対日不信感と不当な日本軍国主義化の非難が、不当でなくなるではないか。

一体何故、このような欺瞞に満ちた法律が積み重なるのであろうか。日本の政治は、「軍隊」を運用できず、自国の安全を守れないのだ。つまり、政治と軍事の関係が全くわかっていない。

そこで、我が国と闘ったイギリスにおける政治と軍事の関係を見てみよう。即ちチャーチル首相とアランブルック参謀総長の関係である。

チャーチル首相とアランブルック参謀総長は、大戦中殆ど毎日会合した。アランブルックは、「政治的思惑」が「軍事行動」に影響を与えることを極力排除することに努力した。つまり、彼の任務は、軍事行動の軍事的整合性を守り抜くことであった。戦時では、軍事的整合性がなければ、作戦が破綻し、作戦の破綻はイギリス崩壊を意味するからである。

彼等の数時間に及ぶ二人きりの会合で、アランブルックは、「閣下、それはできません」という言葉しか使わなかったという。これが、チャーチルという絶望を知らない不世出の総理大臣と、彼の元で軍事作戦を実行する参謀総長の関係であった。そして、このコンビによって、イギリスは戦争に勝ったのだ。

では、このような政治と軍事の関係が我が国に存在するのか。総理大臣と統合幕僚会議議長が、イラクに対する自衛隊派遣を練り上げたのか。そんなことは、全くない。我が国において、チャーチルがアランブルックにしたような質問がなされ、アランブルックの責務であった軍事的整合性が明確にされたなら、この欺瞞的な法案が起案されるはずがない。

この法案は、官僚組織の事勿れ主義と政治の無責任が恥も外聞も忘れて居直った複合的結果である。この居直りは、村山富市内閣から顕著になった。村山内閣は、自民党的な欺瞞と社会党的な欺瞞の合体であり居直りであり戦後の惰眠の結果であった。そして官僚組織は、技術的にこの欺瞞を長引かせることが、社会党内閣でも通用する保身の術であることを学んだのだ。大義なき政権交代が、いかに国家を腐食させているかを考えられよ。